おはようございます!BAISOKUの吉沢です。
九州や北陸では春一番が吹いたそうです。
今年は冬が長い印象ですが、着実に季節は進んでいますね。
地上で目に見える部分は葉っぱが落ちて枯れたように
なっている木々も、
冬の間にしっかり根を張って、
今か今かと花を咲かせるタイミングを待っているようです。
易経では時に中(あた)ると書いて「時中」といいますが、
自然は、実に見事に「時中」しています。
つまり、「その時+その場+その立場」で適切な判断と行動をとる、
ということです。
もっとわかりやすくいえば、植物は、冬はじっと耐えて根を張る。
寒くて凍った大地に冬に種をまいたって、芽は伸びません。
冬はじっと待つとき。
冬はじっとしているのが時中。
春になると一斉に花をさかせて、鳥や虫たちに
花粉や種を運ばせる。春は花を咲かせるのが時中。
人も同じく。
時の流れを敏感に先読みして、その時その時に適切な判断をし、
物事を進めていく。
今、時代が大きく動こうとしています。
まさに「時中」が求められています。
今の時代に生きられていることに感謝し、またこの人生を
楽しんで、時代を生きていこうではないですか!
◆今日の一言
君子はよく時中す
東洋古典の名著『中庸』にある言葉である。
原文は「君子而時中」。
安岡正篤師によれば、
「而」は「して」と普通は読むが、
明代の大学者 兪曲園(ゆきょくえん)は
これを「能(よく)」と読むべきと注釈している、という。
さらに、「中」には相対立しているものを
統一(相結ぶ)して一段高いところへ進めるという
意味と同時に「あたる」という意味がある、
と説明している(『洗心講座』)。
立派なリーダーはその時その場に
ふさわしい手を打ち、あらゆる矛盾、相剋を
克服してどこまでも進歩向上していく。
これが「君子、時中す」の意味である。
「時中」はリーダーに求められる
もっとも重要な資質と言える。
(以下略)
月刊致知 2014年1月号の総リードより
藤尾秀昭編集長