バイトで学んだ創意工夫

昨日、「遊ぶときは遊ぶ!」と書きました。
はっきりいって私は遊びの天才です。

どんなことでも楽しめるという意味では、苦も楽も楽しめます。

学生のころは遊びまくっていました。
でも、そのころから「仕事をする」ということも大好きでした。

ありとあらゆるバイトをしました。
どんなバイトをするときでも、真剣に、その場所で一番になろうとし、
また一番になってきました。

工事現場でバイトしていたとき
シャベルで、山盛りになった砂を所定の位置に撒くのですが、
ベテランのおっちゃんがシャベルを一振りすると、
一発でピタッと均一に、真四角に、定位置に砂がおさまる。

「すげー!かっこええ!!」と、自分もあんなふうにできるようになりたいと、
それからは砂を撒くごとに工夫に工夫を重ねました。

じーっとおっちゃんが砂を撒くところを観察して、
見よう見まねでおんなじようにやってみる。
いつしかおっちゃんと同じようにピタッと撒けるようになり、
人の倍の速さで美しい仕事ができるようになりました。

伯父が、バイクにつかう電球をつくる工場をやっていたので、
そこでもバイトしました。

工程の仕上げに電球を磨くのですが、伯父がつくった電球は、
他の人がつくったものとは輝きがぜんぜん違うということに気がつきました。
一見、流れ作業で同じようにつくっているようにみえて、
仕上がりが全く違うのです。

職人技とはこういうものかと憧れました。
今でも、ものづくりや職人の技、美学にこだわりがあるのは
ここがルーツかもしれません。

コーヒー専門の喫茶店でバイトをしたこともあります。
カウンターに入ってネクタイ姿です。

客商売ですから、絶対行列をつくって繁盛させてやる!と思いました。

実は、私は元来、「手」が不器用で、手仕事は苦手なのですが、
サイフォンでおいしくコーヒーを淹れる方法を研究し、
サンドイッチやサラダなどの軽食のメニューも(勝手に)開発して
お客様に提供していました。

手早く、おいしく、お待たせしない。カウンターに入っていましたから、
お客さんとの会話も上手じゃなければいけません。

おかげで、女子高生に大人気で、私目当てに
女の子が毎日大勢店に来てくれました。

喜んでもらえると、もっと喜んでもらおう(いい恰好しよう)と
さらに考える。
こんなうふうにして、いつしか創意工夫することが習慣になっていったんですね。

◆今日のひとこと
子曰く、之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。

道理を理解できただけでは、道理を実践することに及ばない。
道理の実践ができただけでは、道理の境地にあることに及ばない。
つまり「道」は知るだけではだめ。
歩いて、そして楽しむ。これこそが人生だということ。

自分の道は遠くにあるのではなく目の前にいつもある。
凡人は気づかない。だから生き方(道)を誤るのである。

『論語』雍也第六